いつまでも食べる喜びを支えるために、マヨネーズとドレッシングができること
2026.06.09
食育 その他
社会 その他
こんにちは。キユーピー株式会社 研究開発本部の田中知珠です。
6月4日〜10日は「歯と口の健康週間」です。今回は、食べることに欠かせない歯や口の健康に関連して、マヨネーズやドレッシングが「食べやすさ」に与える影響について行った研究を紹介します。
食べる力が低下しても、食べる楽しみをいつまでも
高齢になると、噛む力や飲み込む力が少しずつ低下していきます。食べにくさは、単に栄養不足につながるだけでなく、食事の楽しみや生きがいにも関わる課題です。 キユーピーでは、「やさしい献立」シリーズを展開するとともに、日常の食事を少しでもおいしく、食べやすくする方法についても研究を続けています。

きっかけは、営業現場の声から
この研究のきっかけは、介護食の営業担当からの相談でした。現場では食べやすくするためにマヨネーズが使われているものの、「なぜ食べやすくなるのか」「どのくらい効果があるのか」を説明できる定量的なデータがありませんでした。 「在宅介護をされている方や専門職の方々に、科学的な根拠とともに提案したい。それが多くの方の食生活に役立つはず」という担当者の強い想いから、研究がスタートしました。
食べやすさが向上する定量的なデータを取得
私たちは、咀嚼・嚥下(そしゃく・えんげ)研究の専門家である柳澤幸江先生(現:日本栄養大学)と共同研究を実施しました。高齢者が食べにくさを感じやすい食材に、マヨネーズやドレッシングを加えた場合の変化について、千葉県生涯大学校の皆さまにもご協力いただき、食べやすさの主観評価や咀嚼回数、食事中の筋肉活動(筋電位)などを測定しました。

その結果、マヨネーズなどを加えることで、食品がまとまりやすくなり、噛みやすさ・飲み込みやすさが向上することが確認されました。また、飲み込む際の筋肉の負担が軽減されている可能性も示されたのです。単なる「味付け」ではなく、食べやすさを支える役割があるという科学的な根拠が示されたことで、介護に携わる方々にもより安心してご活用いただけるようになりました。
身近な調味料だからこそできること
マヨネーズやドレッシングは、多くの家庭にある身近な調味料です。特別な介護食品を用意しなくても、普段の食事に少し加えるだけで食べやすさを改善し、適度な油分によるエネルギー補給にも役立ちます。そして、この研究成果は、和洋女子大学との共同研究として学術論文にまとめ、『栄養学雑誌』2026年6月号(84巻3号)に掲載されました。

キユーピーはこれからも、「いつまでもおいしく食べること」を支える科学的なエビデンスを蓄積し、食を通じて一人ひとりのウェルビーイングに貢献していきます。 毎日の食卓にある身近な調味料が、誰かの「おいしく食べる喜び」を支える存在になれれば嬉しく思います。






