総合授業 「広げよう やさしい町」

2020.12.25

社会 その他

こんにちは。 株式会社キユーピーあい リラクゼーションルーム担当 塩田大樹です。

キユーピーあいは、2003年12月にキユーピー株式会社の特例子会社※ として認定され、色々な能力を持った障害者と健常者が共に働く喜びと自己成長を実感できる会社としてスタートしました。

※特例子会社とは・・・障害のある方の雇用の促進、そして安定を図るために設立された会社のこと

左:来賓用の靴箱に / 右:授業の様子

12月15日、世田谷区立桜小学校4年生対象の総合授業「広げよう やさしい町」の中の、「身近に障害者の方と関わることができる町づくり」の講師に招待されました。

私は視覚障害者で目が見えません。ですが、一人で麻婆豆腐などの夕食を作りますし、洗濯もします。日常どのように楽しく毎日を過ごしているか、生活の難しさも伝えながら、周りの方にしてもらえると嬉しい配慮や身の回りのユニバーサルデザイン(町の中で助かっているものや困っていること、身に着けるものなど)についても触れ、点字ブロックの種類や食品容器についている点字表記のこと、健常者と障害者が同じルールで遊べる囲碁のことなどを話しました。

生徒の皆さんは最後まで興味をもって聞いてくれました。質問もたくさんいただき、まだまだ質問したい人が手を挙げていましたが時間切れとなってしまいました。
生徒さんからの質問をいくつか紹介します。

Q:「これがあったら楽だなぁ」と思うものは何ですか?
A:今は目が見えないと車の運転はできません。技術が進み、目的地を言えばそこまで自動運転してくれる車。とても便利だと思います。

Q:今の町は暮らしやすいですか?
A:暮らしやすいです。東京では電車、バスに乗ればだいたい何処にでも行くことができます。公共機関はユニバーサルデザイン、たとえば点字ブロックなどが整っているところが便利です。

Q:一番大変なことはなんですか?
A:難しいですね、日常生活ではエアコンの温度設定です。暖房なのか、冷房なのかわからないことが大変です。スマートフォンのアプリだけでは解決できず、ビデオカメラ通話を使って、目の見える人に聞いて解決したこともありました。あと、自動販売機で飲みものを選ぶことが、今はできませんね・・。

Q:目が見えていた頃と、見えなくなってからと生活はどのように変わりましたか?
A:見えていた時の方が便利でした。ですが、今何もできないかと言うと工夫次第でできることもあります。今は、今しかないので楽しく生活しています。

授業の最後は、アイヌの口楽器「ムックリ※」を演奏して終了。

※ムックリとはアイヌ民族に伝わる竹製の楽器のこと

小学生に話をするのは初めてだったので、難しい言葉はできるだけ使わない、飽きさせない工夫をするなど、直前までいろいろと緊張しながら考えていました。ユニバーサルデザインの勉強をされているとのことで、私にとっては当たり前のことですが、そこに興味を持ってもらえるように話をしました。白杖や手で触る時計を見せると、「すごい!」「へー」と小学生の素直な驚きの声が聞けました。私にとっては「普通」のことですが、それを皆さんに理解してもらえて良かったと思います。

『やさしい町づくり』に楽しく貢献でき、とても充実した一日となりました。

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