気候変動への対応

気候変動対応への考え方

気候変動の防止は人類共通の課題です。キユーピーグループでは気候変動の原因となるCO2排出量削減のため、調達、生産、物流、販売、オフィスの各段階において、省エネルギーやエネルギー転換など積極的に取り組んでいます。
サステナビリティにむけての重点課題「CO2排出削減(気候変動への対応)」への取り組みでは、サステナビリティ目標に国内各部門からのCO2排出量削減を設定して、気候変動の防止へさらに注力しています。

CO2排出量の削減

気候変動の進行を受けて、2021年度、サステナビリティ目標「CO2排出削減」を見直し、2024年度目標20%、および2030年度目標35%へ修正しました。
更なるCO2排出削減のため、グループ全体で製造工程の効率改善、省エネ設備の導入など、従来の取り組みに加え、脱炭素社会に向けた製法・工程の変革、再生可能エネルギーの導入を検討しています。
物流では長距離トラック輸送から鉄道・船舶輸送へのモーダルシフト、異業種メーカーとの共同輸送を積極的に推進しています。
オフィスではAIなど新技術を活用したエネルギー使用の最適化に取り組んでいます。
また、サプライチェーン全体でのCO2排出量の算定を進め、その削減を推進します。

CO2排出削減目標の上方修正

再生可能エネルギーの活用

キユーピーグループでは、国内外で再生可能エネルギーの導入を順次進めています。2020年度、国内ではキユーピー五霞工場(茨城県猿島郡)に続く2カ所目の自家消費型の太陽光発電設備を旬菜デリ昭島事業所(東京都昭島市)で稼働しました。海外でもタイの生産事業所で太陽光発電設備を事業所の屋上および遊水池の水上に増設しました。今後も当社グループでは再生可能エネルギーへの転換を積極的に実施します。

旬菜デリ昭島事業所に設置した自家消費型発電施設

タイの生産事業所に設置した水上太陽光発電施設

TCFDへの取り組み

キユーピーグループの事業は、自然の恵みに強く依存しているため、原材料の収量の減少や品質の低下など、気候変動によるさまざまな影響を受ける可能性があります。今後の気候変動に関連する事象を、経営リスクとして捉えて対応すると同時に、新たな機会も見いだし、企業戦略へ活かしていきます。

キユーピーグループは、「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)※1」へ賛同し、これに賛同する企業や金融機関等が連携する場としての、「TCFDコンソーシアム※2」に参画しました。
キユーピーグループ内で「TCFDプロジェクト」を発足し、2021年からTCFDへの取り組みを始めました。

※1G20からの要請を受け、金融安定理事会(FSB)が2015年に設立。気候変動によるリスク及び機会が経営に与える財務的影響を評価し、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標について開示することを推奨しています。
TCFD ウェブサイト

※2企業の効果的な情報開示や、開示された情報を金融機関等の適切な投資判断につなげる取り組みについて議論する場として、2019年に設立。TCFD提言に賛同する企業や金融機関等が取り組みを推進しています。
TCFD コンソーシアムウェブサイト

サプライチェーンにおける
CO2排出量

環境省支援事業において、キユーピーのサプライチェーン排出量を算出しました。原材料調達にかかる排出量が最も多く、次に輸配送と廃棄にかかる排出量が多い結果となりました。
今後、キユーピーグループでのサプライチェーン排出量を算定し、削減に向けた取り組みを着実に進めていきます。

生産における取り組み

生産部門のCO2排出削減

キユーピーグループでは、製造工程での効率改善、設備の導入などによる省エネルギーを基本として、A重油から都市ガス・天然ガスへの燃料転換、コジェネレーション(熱電併給)や太陽光発電の利用を進めています。また、グループ事業所での優れた取り組み事例を共有・展開することによってCO2排出削減に努めています。

生産部門のCO2排出削減目標
  • 排出総量 年1%以上減

2020年度、キユーピーグループ生産工場でのエネルギー使用に伴うCO2排出量は、総量174.5千トンで、前年度より2.3%減少しました。生産数量1トン当たりのCO2排出量(原単位)は、226.2kgで、前年度より2.4%増加となりました。新型コロナウイルス感染症の影響から生産数量とCO2排出総量は減少しましたが、原単位は増加となりました。
ここでは生産工場での取り組み貢献量を示すため、CO2排出量換算に用いる係数を2013年度から固定しています。

CO2排出量

対象:キユーピーグループ生産工場

CO2排出係数(2013年度から固定)
エネルギー源別標準発熱量・炭素排出係数(資源エネルギー庁 2005年版)および、電気事業者別の排出係数(2011年度実績、経済産業省・環境省公表)より

購入電力:0.491kg-CO2/kWh

A重油:2.710kg-CO2/L

都市ガス(13A):2.267kg-CO2/m3

LPG:3.036kg-CO2/kg

自然冷媒冷凍機の活用

キユーピーグループでは、省エネ設備の導入と設備の運用最適化に取り組んでいます。冷凍機更新において、自然冷媒機を導入することにより、CO2削減と脱フロンを実現しています。
キユーピー中河原工場(東京都府中市)では、冷凍機の設備更新にあたり自然冷媒機を2018年に導入し、CO2削減効果を継続して検証しています。

自然冷媒冷凍機導入によるCO2排出量削減
(削減計画値 530.3トン-CO2
  • 2018年度 940.3トン-CO2
  • 2019年度 947.1トン-CO2
  • 2020年度 977.5トン-CO2

撤去したフロン冷媒のCO2排出換算量を含む行政年度での報告

当事業は環境省「脱フロン社会構築に向けた業務用冷凍空調機器省エネ化推進事業」による補助を受けています。

アンモニア冷凍機

物流における取り組み

キユーピーグループでは、お取引先やグループ会社と連携し、原料輸送から商品配送にいたるまで、すべての輸配送で環境負荷低減に取り組んでいます。
輸配送距離の短縮化と積載効率向上による輸配送効率化、低燃費で安全にもつながるエコドライブなどを実施しています。加えて、長距離トラック輸送の鉄道や船舶への切替(モーダルシフト)を推進して、CO2排出削減を実現しています。
キユーピー商品の輸配送によるCO2排出量は、2020年度22.0千トンで前年比2.3%減となりました。

輸配送によるCO2排出量

    2019年度 2020年度 前年度比
キユーピー
販責商品
輸配送量(千トンキロ) 142,237 138,443 -2.7%
CO2排出量(トン) 22,539 22,010 -2.3%

モーダルシフトの推進

専用31フィートコンテナ10基(うち冷凍コンテナ4基)を導入し、輸送事業者と連携してモーダルシフト※1を推進しています。
キユーピーは、商品を輸送する時に貨物鉄道を一定割合以上利用している企業として、2019年7月に「エコレールマーク」認定をされました。
モーダルシフト化率※2は、2020年度33%と輸配送量の増加により前年比減となっています。

※1モーダルシフト:500km以上の長距離トラック輸送を鉄道・船舶でのコンテナ輸送へ転換すること

※2モーダルシフト化率:500km以上の輸送トン数に対し、鉄道や船舶による輸送トン数の比率

鉄道・船舶積載用31フィートコンテナを10基導入し、輸送事業者と連携してモーダルシフトを進めています

モーダルシフト化率の推移

異業種での共同輸送の取り組み

キユーピーは、2018年からトイレタリー業界のライオン株式会社、レンタルパレット業界の日本パレットレンタル株式会社と一緒に共同輸送を実施しています。3社の荷物を載せることで、トラックが空での移動を1%未満に抑えることができました。
加えて、一部区間をトラックから船に切り替えるモーダルシフトを行うことでさらにCO2削減の効果を高めています。この取り組みは外部から高く評価され、平成30年度グリーン物流パートナーシップ会議優良事業者表彰において「国土交通大臣表彰」をいただいています。

オフィスにおける取り組み

キユーピーグループは、2013年10月の仙川キユーポート新設を皮切りに、本社・研究部門を中心としたオフィス事業所の集約を進めています。省エネ設計・設備の導入とともに、オフィス事業所間の連携により、省エネ性能を十分に発揮するためのノウハウの共有や運用改善、改修を継続的に行っています。

渋谷オフィスでの取り組み

キユーピーグループの渋谷オフィス(渋谷董友ビル)は、ビル全体を2重のガラスが覆い(ダブルスキン)、ガラス間を自然換気することで高い断熱性を実現しています。また、高効率空調機やLED照明といった省エネ設備も導入しています。

2重ガラスが覆う(ダブルスキン)外観

これらの環境設計により、建築総合環境評価システム「CASBEE」の総合評価Aランクに認定されています。
また、グリーンファイナンス促進利子補給金交付決定事業に採用されています。

グリーンファイナンス促進利子補給金交付決定事業:環境省が公募した、地球温暖化対策のための設備投資の事業に係る融資に対する利子の一部を補給する対象となる事業。

仙川キユーポートでの取り組み

自然換気システム

仙川キユーポートでは、吹き抜けを活用した自然換気システム、コジェネレーションシステム、太陽光発電、LED照明などを導入しています。省エネ設計性能を最大化するため、設備メーカーとの連携を深めるとともに、仙川キユーポートに勤務する多くの社員に聞き取りなどを行うことで、運用精度の向上を図っています。
さらに、株式会社日立製作所との協働により、クラウドサーバ上のAIを利用して、気象予報データと空調機器(冷凍機、ヒートポンプ、ガスボイラー、コージェネレーション発電)の稼働状況などに基づく最適化運転パターン分析を実現、運用を検証しました。
導入前に比べ、空調機器のエネルギー使用量(原油換算)を夏季・冬季で11~12%、中間期(春季)で37%削減しました。
さらなるエネルギー最適化をめざし、AI活用をはじめ新技術の探求を進めています。

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