研究レポートドレッシング・食用油用PETボトルのリサイクル適性の確認と社会実装への挑戦
※掲載内容は2026年10月時点の情報に基づきます。
資源循環へ向けた新たな一歩
ドレッシングや食用油のPETボトルは、内容物に含まれる油脂の影響でリサイクルが難しく、多くが焼却(熱エネルギーとして利用)されています。
キユーピーは、こうしたPETボトルを資源として循環させたいという思いから、この課題に取り組んできました。しかし、一社だけで解決できるものではありません。そこで、同じ課題を抱える日清オイリオグループ株式会社とともに、2024年5月から共同研究を開始しました。この取り組みは、これまでリサイクルが難しいとされてきたドレッシング・食用油用PETボトルの資源循環をめざし、持続可能な社会の実現につながる新たな挑戦です。
守矢 大介
(食創造研究所 設計開発推進部 包材開発チーム)
環境に配慮できる容器包装、リサイクル技術の研究開発に日々取り組んでいます。
実機テストによる徹底的な検証
研究概要
本研究では、両社の工場で商品検査後に廃棄予定だった食用油・ドレッシングのPETボトルをテストサンプルとして活用しました。これらを実際のリサイクル工場の設備で破砕・洗浄し、再生PET樹脂(レジン)を製造。その再生レジンから、新たな再生PETボトルを試作しました。
さらに、洗浄後のPETフレーク、再生レジン、試作した再生PETボトルについて、ボトルの強度や寸法、内容物へのにおい移りなどの保存性、油分や揮発性成分などを評価し、リサイクル材として安心して利用できるかを総合的に検証しました。
研究成果
高品質なリサイクルを科学的に実証
両社が長年培ってきた食用油やドレッシングに関する知見を活かして検証を行った結果、高品質なリサイクルが可能であることを確認しました。この成果は、2026年2月に「日本包装学会誌」に論文として掲載されました。
① 飲料用PETボトル由来と同等の品質を確認
適切なリサイクル工程を経ることで、食用油・ドレッシング用PETボトル由来の再生材も、飲料用PETボトル由来の再生材と同等の品質(IV値や色など)を持つことを確認しました。
② 安全性・保存性を実証
試作した再生PETボトルでは、懸念されていた内容物へのにおい移りや着色は見られず、ボトルの強度や寸法にも問題がないことを確認しました。
③ 既存のリサイクル工程で対応可能
実際のリサイクル工場で検証した結果、既存のリサイクル工程を活用しながら、高品質な再生材を製造できることを技術的に実証しました。
今後の展望
実用化から、社会全体の資源循環へ
本研究の技術実証を受け、油付きPETボトル由来の再生材を、国内で初めてドレッシングのPETボトルの一部に使用し、2026年4月に数量限定で販売しました。
まずは、自社および協働パートナーの工場から生まれる資源を循環させる取り組みからスタートしています。今後は、この仕組みを食品メーカーや自治体、さらには他業界へと広げ、社会全体で資源が循環する「サーキュラーエコノミー」の実現をめざしていきます。






