研究レポートおやつタイムに「冷凍イチゴ」を食べるだけ!
夕食後の血糖値を抑えるセカンドミール効果

※掲載内容は2026年8月時点の情報に基づきます。

おやつタイムのフルーツ習慣で、おいしく楽しく生活習慣病を防ぐ

従来の栄養学が大切にしてきた「何を・どれだけ食べるか」に、「いつ(タイミング)」という視点を加えた学問「時間栄養学」。
肥満や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高める「食後高血糖」を防ぐアプローチとして、この時間栄養学において「セカンドミール効果(最初にとった食事が、次の食事のあとの血糖値に良い影響を与える現象)」を意識したタイミングでの食べ方が提案されています。
どのような食べ物がこの効果をもたらすのかはまだ十分に分かっていませんでしたが、私たちは先行研究からフルーツがもつ可能性に着目しました。そこで時間栄養学の専門家である「広島大学の田原優先生」、フルーツの知見と加工技術を有するグループ会社の「アヲハタ」、健康栄養評価のコア技術をもつ「キユーピー」の三者で共同研究を実施。糖質の量や種類が異なる3種類のおやつ(果汁漬け冷凍イチゴ、せんべい、クッキー)を昼食と夕食の間の時間帯に食べることで、夕食後の血糖値にどのような違いが出るのかを検証しました。

㊧土岡 明日美
(アヲハタ株式会社 研究開発本部 研究センター)

ジャムをはじめとするフルーツ加工品の新たな健康価値の解明や、時間栄養学を用いたアプローチに取り組んでいます。本研究の成果を商品や情報としてお客様へお届けし、その先にある皆様の健やかで幸せな食生活に貢献できるよう日々研究を重ねています。

㊨小林 俊裕
(キユーピー株式会社 研究開発本部 未来創造研究所 ヒューマンヘルス研究部 食品機能性研究チーム)

おいしく手軽に健康維持に役立つフルーツの新しい食べ方の提案や、フルーツのもつ機能性についての研究等に取り組んでいます。本研究では、アヲハタの研究チームと密に連携しながら、キユーピーのヒト試験の知見を活かしてグループ一丸で広島大学とセカンドミール効果の検証に取り組みました。

研究概要

健常成人男女24名を対象に、17時の間食に同じエネルギー量(76±2kcal)の「果汁漬け冷凍イチゴ(以下イチゴ、フルクトース主体)」「クッキー(高脂質)」「せんべい(デンプン由来のグルコース主体)」および「間食なし」をそれぞれ別日に摂取していただき、間食後と夕食後を中心に血糖値の変化を調べました。

研究成果

①イチゴとせんべいで「セカンドミール効果」を確認

イチゴとせんべいを間食で摂取した場合、間食なしと比べて夕食後の血糖値上昇が有意に低く抑えられること(セカンドミール効果)が確認されました。適度な量の糖質を含む間食摂取により、インスリンの効き目を弱める遊離脂肪酸の夕食時の値を下げたことがメカニズムの一つだと考えています。一方、高脂質で低糖質のクッキーではこの効果は引き起こされませんでした。

②イチゴは間食直後の血糖値上昇も緩やか

イチゴは、デンプン(グルコース)主体のせんべいと比べて、間食摂取時の血糖値上昇が有意に低く抑えられました。イチゴとせんべいの糖質量は同程度でしたが、イチゴはフルクトースが主要な糖であり食物繊維(ペクチン)も含む低GI食品であるため、摂取直後の消化吸収速度がゆっくりで血糖上昇が緩やかだったと考えられます。

出典:田頭ら, 日本農芸化学会 2026年度京都大会より一部改編

※本研究は、広島県健康・医療関連産業創出支援事業の助成を受けて実施されました。

今後の展望

本研究により、「イチゴ」は間食として摂取した際の血糖値が上がりにくく、さらにその後の夕食後の血糖値上昇も抑制してくれる、有用な食品であることが分かりました。この効果はフルクトースの代謝特性等によるものと考えられるため、イチゴに限らず他のフルーツでも同様の効果が期待できます。 さらにフルーツは、血糖値を上げにくいだけでなく、健康的な食生活に欠かせないビタミンCやカリウムなどの栄養素を豊富に含んでいます。今後も、アヲハタが培ってきたフルーツの知見とキユーピーのコア技術を融合させ、フルーツのある健やかで幸せな食生活の提案につながる研究を進め、その情報をお届けしてまいります。

コラム:〜夕食後の高血糖は要注意〜

夕食後は、朝食後と比べて血糖値が高くなりやすいことが知られています。これは、私たちの体に備わる「体内時計」の働きにより、夜になると血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌や働きが弱くなるためです。さらに、仕事などで帰宅が遅くなり、夕食の時間が夜遅くなると、食後高血糖や血糖値の急激な上昇・下降(血糖スパイク)が起こりやすくなります。遅い時間帯の食事を避けることや、夕方の間食を活用した「夕食の分食」は、肥満や糖尿病などの生活習慣病予防に効果的です。

田原優
広島大学大学院 医系科学研究科
公衆衛生学 准教授

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