サステナビリティ特集 社会(労働人口減少)

現場力 × AIで労働人口減少に
挑む

社会課題とキユーピーの取り組み

少子化、そして超高齢社会の到来により、日本の人口は2020年2月時点で1億2600万人と10年連続で減少しました。
その中で15歳から64歳までの生産年齢人口の割合は、比較可能な1950年と並んで過去最低の59.7%となり、労働力不足が一層進んでいます。今後も人口減に合わせて労働人口の減少に直面することが予測されており、キユーピーグループでは次世代技術を社会課題解決のために活用する手段としてAI(人工知能)を積極的に導入し、強みである現場力と掛け合わせることで、活人化を進めています。
私たちのAI活用の特徴は「ヒト目線」であることです。AIを活人化の手段として用いながら、グループ従業員も含めた現場の志の高さで、様々なイノベーションを生み出しています。

年齢3区分別人口の推移

出典:日本の将来推計人口(平成29年度推計)
国立社会保障・人口問題研究所

AIを活用した世界初の良品学習型原料検査装置をキユーピーグループに展開

2018年8月からキユーピー鳥栖工場では、ベビーフードに使用する原料の検査工程においてAIを使った原料検査装置を導入しました。赤ちゃんが食べるベビーフードは食しても問題ないような数ミリの黒い斑点ですら、利用者の不安につながることから今までは熟練の従業員が目の前に流れる何百個もの原料に目を凝らし、不良品を選り分けてきました。この作業に、AIが得意とする画像認識技術を最大限活用できないかと、2016年から原料検査装置の開発を開始。不良品のパターンの学習ではなく良品のパターンを学習させるという逆転の発想で、精度を飛躍的に向上させ、世界初の良品学習型原料検査装置として、導入に至りました。

現場で作りあげたAI原料検査装置(キユーピー鳥栖工場)

現場で作りあげたAI原料検査装置(キユーピー鳥栖工場)

現在では、国内4工場で、ダイスポテトやいちょう切りニンジンなど育児食やポテトサラダなどに使われる原料の検査に利用されています。
「良い商品は良い原料からしか生まれない」という創始者 中島董一郎の想いが、現場の共通の「志」となって大きな力を生み出しており、検査装置の1号機導入以降も、改善・改良を加えて“働く人にやさしい”工程へと進化させています。
AIを活用した原料検査装置の取り組みは、「IT JapanAward 2019準グランプリ(日経コンピューター主催)」、「ディープラーニングビジネス活用アワード大賞(日経×TECH主催)」、「第2回日本オープンイノベーション大賞農林水産大臣賞(内閣府主催)」を受賞するなど、産業界でも高く評価されています。

開発リーダー荻野による講演の様子

開発担当者による講演の様子

食品業界全体の品質向上につなげるためパートナー企業との協働

自社の生産性向上と従業員の負担軽減にとどめず、このイノベーションを他社にも提供することで、食品業界全体の品質向上につなげたいと考え、同じような課題を抱える原料メーカーや食品メーカーにもこの原料検査装置を広く展開しています。こうした協調領域における技術の共通化を通じて、食の安全・安心をさらに向上させることで、日本ブランドの価値向上に貢献していきます。
キユーピーグループのAIを活用した挑戦は、現在、部署で40を超えるプロジェクトが進行していて、その内12件でシステムを稼働・実運用し始めています。こうしたイノベーションを実現するには、社内だけでなくパートナー企業においても、明確な目的と志を持ち、その志に共感し、なおかつ相互の信頼関係をもって進めていくことが重要だと考え取り組んでいます。

「ロボット実装モデル構築推進タスクフォース」に参画

2019年10月に経済産業省と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が立ち上げた「ロボット実装モデル構築推進タスクフォース」に参画しています。このタスクフォースでは、労働力不足などが深刻化している施設管理、小売・飲食、食品の3つの分野にフォーカスを当て、既存の業務プロセスや施設環境などを見直すことを前提としたロボットフレンドリーな環境を検討し、その環境から導かれる共通機能に基づいた、ロボット活用によるプロセス改善モデルを創出することをめざしています。
食品製造業は、他の産業に比べて労働集約的要素が高く、惣菜や弁当を作る工程においては非常に多くの人員が必要となっています。今後、労働力不足が深刻化していくと予測される中で、現場における業務プロセスの多様な課題を整理し、個社の課題から業界共通課題や協調課題へと展開し、ロボットを導入するための障壁を取り除くことは、産業全体の急務となっています。
2022年におけるロボット活用によるプロセス改善モデルの創出に向けて、参画企業と一緒になって今後も取り組みを進めていきます。

官民連携チーム

官民連携チーム

メッセージ
社会課題解決への「志」に共感し、イノベーションを生み出します

塩澤 洋一郎 株式会社ブレインパッド 取締役

いかにして安全・安心な食を実現するかという社会課題は、当社のミッションからも深く理解、共感できるものです。我々ブレインパッドは「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」ことをミッションとする専門家集団として、データ活用に対する強い思い(志)とAI活用の現場力を有しています。キユーピーグループの皆様とともに、共感、志、現場力を持ってイノベーションの実現に向けご一緒させて頂きます。

株式会社ブレインパッド
取締役 塩澤 洋一郎

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