研究レポートマヨネーズの摂取がご飯摂取後の血糖応答に及ぼす影響

※掲載内容は2025年11月時点の情報に基づきます。

マヨネーズの新たな可能性を求めて。研究員たちの熱い想い

キユーピーの研究開発本部には、社員が自由な発想で研究テーマを提案できる「わくわく開発提案会※1」というユニークな制度があります。今回ご紹介するのは、この提案会から生まれた、ひとつの挑戦的な研究開発のストーリーです。
研究のきっかけは、マヨネーズを愛する長谷(海外開発推進部)の素朴な疑問でした。
「近年、カリフォルニアロールや丼ぶりなど、ご飯とマヨネーズを組み合わせた食の楽しみが広がってきている。日本の食文化の代表であるご飯とマヨネーズの組み合わせにはおいしいだけではない可能性を秘めているかもしれない。」そこで長谷が声をかけたのは、マヨネーズ開発を担当する山田と、健康機能の研究に携わる河田でした。
長谷の提案を受けた山田と河田は「マヨネーズのさらなる可能性を探求したい」という強い想いに共感し、異なる専門分野を持つ3人が、同じ志のもとにチームを結成しました。
これまでの文献の調査や研究結果から、「白ご飯と一緒にマヨネーズを食べることで、食後の血糖値の上昇が穏やかになるのではないか」という仮説を立て、学術的な検証に向けて一歩を踏み出しました。

㊧山田 遥夢
(食創造研究所 市販用開発部・マヨネーズチーム)

国内向けの市販用マヨネーズ類について、新商品の開発や既存商品の磨き上げを担当しています。キユーピー マヨネーズを使ってポテトサラダを作るのが好きです。

㊥長谷 紘明 [本研究の発案者]
(食創造研究所 海外開発推進部・リージョン開発チーム)

海外拠点の研究開発サポートを行うとともに、世界戦略商品「キユーピー マヨネーズ」「深煎り胡麻ドレッシング」の海外シェア拡大に取り組んでいます。

㊨河田 尚暉
(未来創造研究所 ヒューマンヘルス研究部・食品機能性研究チーム)
※わくわく開発提案会時は食育・栄養機能研究チーム

食品成分が健康に及ぼす機能について研究しています。最近は、食後の血糖値や認知機能への作用に関心を持って取り組んでいます。

食後の血糖上昇を穏やかにする食品と食べ方の工夫

研究概要

食後の血糖値の急上昇は、生活習慣病のリスクとなることが知られています。そのため、食後の血糖上昇を緩やかにできる食品や食べ方がの工夫が求められています。これまでのキユーピーの研究では、サラダによって食後血糖の上昇を抑える効果が報告されています。そこで私たちはサラダに使用されているマヨネーズ自体にも効果があるのではないかと考えました。
マヨネーズを構成する油と酢については、食後血糖値を抑える報告がされていました。一方で、油と酢の両方を含む調味料であるマヨネーズについては、食後血糖への影響に関する報告は限られており、脂質が乳化された状態での効果や効果の出る量目についても明らかになっていませんでした。
そこで本研究では、マヨネーズの摂取がご飯の食後血糖応答に及ぼす影響を評価しました。さらに、そのメカニズムを探る目的で、血中ホルモンの分析も実施しています。

研究成果

適量のマヨネーズ摂取が食後血糖のコントロールに役立つ可能性

まず社内の予備検討で、白ご飯だけの場合との比較や量目などについて確認したところ、白ご飯に大さじ1杯のマヨネーズを使用して食べた時に、食後の血糖値の上昇が穏やかになる可能性が見えてきました。そこで被験者を増やし、血中ホルモンの分析を追加して本試験に移行しました。健常な成人男性15名に対し、白ご飯150gのみ(R食)、白ご飯150g+マヨネーズ15g(RM食)を用意しました。それぞれの食事の摂取後に、血糖値、インスリン、インクレチン(GLP-1、GIP)などを時間毎に測定しました。

今回の臨床試験では、白ご飯とマヨネーズの組み合わせがインクレチン※2(GLP-1、GIP)の分泌を促進し、食後血糖の上昇を有意に抑制することが明らかになりました。
この結果から、適量のマヨネーズの摂取が、食後血糖のコントロールに役立つ可能性が示唆されます。

※ただし、マヨネーズはエネルギー含有量が高いため、過剰な摂取には注意が必要です。今回の試験では、ご飯150g(お茶碗1杯)に対して卵黄型マヨネーズ15g(約大さじ1杯)を使用しました。

※2 インクレチンとは、栄養素の刺激で小腸から分泌される消化管ホルモンです。インスリン分泌の促進や、胃滞留時間を延長をします。

出典:Kawada et al. Biosci Biotechnol Biochem, 2025

今後の展望

キユーピーではこれまでも、マヨネーズによる脂溶性ビタミンの吸収率向上※3や、マヨネーズを使用した野菜調理の知見※4など、マヨネーズに関する研究成果を報告してきました。
今後も、マヨネーズの新たな可能性、そして豊かな食文化の実現に向けて、さらに研究を進めていきます。

ページの先頭に移動する