キユーピーと酢酸菌
酢酸菌とは?
酢酸菌は、お酢の主成分となる「酢酸」をうみだす菌の総称です。アルコールからお酢を作る過程で重要な働きをします。黒酢やにごり酢、コンブチャ、ナタデココなどの発酵食品に含まれています。
一般的に流通している透明な酢は、製造過程で酢酸菌の多くがろ過されています。一方で、伝統的な製法で作られた「にごり酢」には、酢酸菌が豊富に含まれているのが特徴です。
酢酸菌イメージ
酢酸菌を含む商品
キユーピーグループでは、特別な製法でにごり酢を作っています。このにごり酢の原料となる独自素材「酢酸菌GK-1」の機能に着目し、新たな価値創造につなげる研究を進めています。
酢酸菌のはたらき
酢酸菌は、主に3つの効果が期待されています。
・免疫バランスを整える効果 ・花粉症や鼻炎といったアレルギー症状を緩和する効果 ・飲酒時の体調を整える効果
それぞれの効果について、具体的な研究結果とともにご紹介します。
免疫へのはたらき
酢酸菌GK-1は、免疫の司令塔である「pDC(プラズマサイトイド樹状細胞)」を活性化し、分泌型免疫グロブリンA抗体(分泌型IgA)を増加させ、風邪に見られる諸症状を減少させることができます。
酢酸菌GK-1は免疫の司令塔である「pDC(プラズマサイトイド樹状細胞)」を活性化することを世界で初めて※1確認し、論文に掲載されました※2。
※1 ヒトでpDCに働きかけることが世界で初めて論文報告された酢酸菌(PubMed及び医中誌Webの掲載情報に基づく)
※2 Tanaka T et al.,Jpn Pharmacol Ther. 2022, 50:12, 2237-48.
イメージ図
研究結果
まめ知識:食事から多様な「菌」を取り込みましょう!
免疫力をアップするためには、食事からお酢(酢酸菌)やヨーグルト(乳酸菌)などの多様な「菌」を摂って体に取り込むことが重要です。小腸のパイエル板に存在する免疫細胞が、体に取り込まれた多様な「菌」を抗原として認識することで、免疫抗体の産生を促進することができます。
花粉へのはたらき
花粉症(アレルギー)の予防・改善には、発酵食品を摂り多様な菌を体内に取り込むことが良いと言われています。
酢酸菌は、免疫細胞の抗原受容体である「TLR2」と「TLR4」の両方に作用できることが確認されています。
また、免疫バランスを整え、免疫の誤作動や過剰反応を抑制し、花粉症などのアレルギー症状を抑えると考えられています。
酢酸菌が免疫バランスを調整する仕組み
※免疫を活性化するスイッチTLRは、現在1-11まで発見されており、各TLRによって、感知する成分が異なる。
研究結果
アルコールへのはたらき
酢酸菌にはアルコールをお酢(酢酸)に変換する酵素が存在します。酢酸菌のアルコール分解酵素が、肝臓と同じ働きで体内のアルコールを分解し、飲酒時の体調への負担を和らげる研究が進められています。
「酢酸菌酵素」を知っていますか?(1分21秒)
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研究結果
まめ知識:飲酒によるさまざまな症状
飲酒した際、肝臓でアルコールが分解されますが、処理しきれなかったアルコールとアルデヒドは、血管を通って全身をめぐり、酔いや赤面、頭痛、吐き気などのさまざまな症状を引き起こします。
アルコールやアルデヒドを分解する酵素の働きには個人差があると言われています。
酢酸菌の研究
マヨネーズの「お酢」から生まれた研究
キユーピーグループは、マヨネーズに欠かせないお酢にこだわり、60年以上にわたり研究を重ね、発酵技術を磨いてきました。お酢づくりのなかで、ろ過の過程で取り除かれてしまう「酢酸菌」が健康に寄与する可能性を持っていることに着目。この酢酸菌の力を深く探り、皆さまの健やかな毎日に貢献することをめざし、日々研究を進めています。
酢酸菌の研究
酢酸菌の研究成果と独自素材
酢酸菌は増やすのが難しい菌ですが、キユーピーは、酢酸菌を高濃度に含む「にごり酢」を世界で初めて大量生産することに成功しました。原料となる「酢酸菌GK-1」は、免疫バランスを整える可能性を秘めた独自素材です。ヒト臨床試験で風邪の諸症状の発症率の減少を確認するなど、この素材の確かな成果を生かし、人々の健康に貢献する商品開発を進めています。
一般的な酢(左)とにごり酢(右)
酢酸菌がうみだす、未来の健康
キユーピーは、酢酸菌に関する論文数が世界で最も多く、酢酸菌の研究において世界をリードしています。この長年培った技術を活かし、現在、ウェルネス領域に挑戦を広げています。
これからも、酢酸菌の可能性を追求しつづけ、皆さまの健康に貢献する新しい価値を提供していきます。






