研究・調査

19/09/25

No.77

【研究報告】マヨネーズの乳化粒子がおいしさに影響

ポテトサラダのおいしい作り方を科学的に解明 家庭での作り方を再現し検証

8月27日に日本調理科学会で発表しました

 キユーピーは、惣菜の製造販売を手がけるグループ会社のデリア食品株式会社(本社:東京都調布市、代表取締役社長:柴崎 健)と共に、ポテトサラダのおいしい作り方を科学的に解明することに成功しました。この研究成果を8月26日~8月27日に開催された一般社団法人日本調理科学会2019年度大会(会場=中村学園大学:福岡県福岡市)で共同発表しました。

■研究の要点

演題「作り方の違いによるポテトサラダのおいしさ」

 マヨネーズを使ったメニューとして人気があるポテトサラダのおいしいとされる作り方について、科学的な根拠が明確になっていなかったことに着目しました。研究の結果、2つの根拠を確認しました。

 ①マヨネーズを加える時のじゃがいもの温度の違いによるおいしさへの影響
 ②マヨネーズの乳化粒子の大きさの違いによるおいしさへの影響

 

 家庭での作り方を想定し、加熱直後の70℃以上、粗熱を取った40℃、冷蔵庫で冷やした15℃以下の3つの温度帯のじゃがいもを用意し、これらにマヨネーズを加えて混ぜ合わせた時の味の感じ方を調べました。
 官能評価の結果、粗熱を取った40℃のじゃがいもにマヨネーズを加えて混ぜ合わせた時が、じゃがいもとマヨネーズの両方の味をしっかり感じるということが分かりました。
 さらに、顕微鏡観察の結果から、マヨネーズの乳化粒子の大きさの違いやその混在状態がポテトサラダのおいしさに影響していることが示唆されました。

■研究概要

[背景・目的]

(調理例) ポテトサラダ

 ポテトサラダは、マヨネーズを使ったサラダとして人気があります。ポテトサラダをおいしく作る方法は多数ありますが、その科学的な根拠が明確になっていませんでした。家庭でおいしいポテトサラダを作る条件を明らかにし、調理に活用してほしいと考え検証しました。

[評価方法]

  • 官能評価:フリーコメントで評価した。パネルは研究員8名とした。
  • 顕微鏡観察:ポテトサラダ中のマヨネーズの乳化粒子を赤く染色し可視化した。

試験1:じゃがいもの温度の違いによる影響評価

<方法>
 じゃがいもの皮をむき、蒸し煮(98℃で55分)し、70℃以上、40℃、15℃以下の温度に調製したものに、マヨネーズを投入し混ぜ合わせた後、じゃがいもとマヨネーズの味の一体感についての官能評価を行った。また、その時のマヨネーズの状態を顕微鏡で観察した。

<結果>
 官能評価では、②の粗熱を取って40℃まで冷ましたじゃがいもにマヨネーズを投入し、混ぜ合わせたものが、じゃがいもとマヨネーズの一体感があり、両方の味を感じるという評価を得た。顕微鏡観察で、②のおいしいとされる作り方では、マヨネーズの乳化粒子が微細なものと粗大化したものが混在していることを確認した。

※ 粗大化・・・熱などの影響でマヨネーズの乳化粒子が大きくなる現象

官能評価では以下のように評価された。
 ①:70℃以上は、マヨネーズがしみ込んでいる点は良いが、味が均一でじゃがいもの風味がない、舌に重く感じる、油っこい。
 ②:40℃は、マヨネーズとじゃがいもの味を両方感じることができ、一体感がある、味にメリハリがある。
 ③:15℃以下は、表面しか味が付いていない、じゃがいもとマヨネーズの一体感がない。

 以上のことから、ポテトサラダのおいしさにマヨネーズの乳化粒子の大きさやその混在状態の違いが影響するという仮説が導かれた。

試験2:マヨネーズの乳化粒子の大きさやその混在状態の違いによるおいしさを検証

<方法>
 じゃがいもの皮をむき、蒸し煮(98℃で55分)し、15℃以下に調製したものに、マヨネーズの平均粒径が、①:10μm未満、②:10μm以上、③:①②を併用した3つの条件のものをそれぞれ投入し、混ぜ合わせた。

<結果>
 マヨネーズの平均粒径が異なるものを併用した③のマヨネーズを使用して作ったポテトサラダが、じゃがいもとマヨネーズの一体感があるバランスの良い味に感じられた。

官能評価では、以下のように評価された。
 ①:平均粒径10μm未満のマヨネーズ使用は、じゃがいもの味があまりしない、少し口に残る。
 ②:平均粒径10μm以上のマヨネーズ使用は、じゃがいもの味しかしない、よく混ざっていない、マヨネーズの味が薄い。
 ③:①と②の併用は、マヨネーズとじゃがいもの両方の味がする、一体感が強い。

 試験1の結果と併せて、マヨネーズの乳化粒子の大きさやその混在状態の違いが、風味や一体感(まとまり)に影響することが分かった。ポテトサラダのおいしさに影響する因子はさまざまあるが、マヨネーズの乳化粒子の分散状態が総合的なおいしさに影響していることが示唆された。

10月10日は、「ポテトサラダの日」

 ポテトサラダなどの惣菜を製造販売するデリア食品株式会社(キユーピーグループ)が、ポテトサラダのおいしさや楽しさを伝えることを目的に2015年に制定した記念日です。北海道産の新じゃがの収穫時期に当たるほか、「ポテトサラダに使う食材を横に並べた様子」や英語の「Potato」の表記が10月10日に見えることも由来しています。

 電子レンジでじゃがいもを加熱して作る「ポテトサラダ」の作り方をWEBサイトで公開しています。調理のポイントは、じゃがいもを人肌に冷ましてから、マヨネーズを加えてあえることです。

キユーピー ポテトサラダ教室URL
https://www.kewpie.co.jp/potato/making/


印刷時には、PDFデータをご利用ください。

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