研究・調査

17/06/30

No.38

2016年度 キユーピー 食生活総合調査

20~59歳既婚女性の意識調査結果「手作り」のハードルが下がる一方で、高まる「手抜き」の罪悪感「満足度」に最も大きく影響するのは「家族の反応」

 キユーピーは、1989年(平成元年)から毎年、「食生活総合調査※」を実施しています。2016年度は20~59歳の既婚女性を対象として、主婦層の調理行動と意識について調べました。前回(2013年度)、前々回(2010年度)の調査結果と照らし合わせてその変化を分析したところ、①3食ともに「ひとりごはん」の増加、②調理機会の減少と、調理スキルの低下傾向が見られました。また、③「手作り」のハードルが下がる一方で「手抜き」の罪悪感も同時に高まっていることや、④食事に対する満足度に「家族の反応」が大きく影響していることが明らかになりました。

※食生活総合調査は、食生活の実態や傾向をつかむことを目的に、キユーピーが毎年実施している調査です。「シニア」「主婦」「単身者」の3つの対象に対して、毎年順番に調査を行っています。

①全食事で「ひとりごはん」が増加

 食事を「一緒に食べている人」を尋ねる問いに対する回答を見ると、平日・休日の3食ともに「自分ひとり」という回答が、調査ごとに増えていることがわかります(資料1:データは平日のみを抜粋)。

資料1 一緒に食事をしている人(平日)

②簡単な調理も減少続くスキルの低下傾向

資料2 調理で行ったもの(平日夕食)

 平日・夕食に調理を行った人に「調理で行ったもの」を尋ねる問いに対する回答を見ると、すべての項目で前回より減少しています。中でも、「油で揚げる」など手間がかかるものだけでなく、「ごはんを炊く」、「野菜や果物の皮をむく」といった簡単な調理で大きく減少していることが特徴です(資料2)。
 また、「調理で重視していること」を尋ねた問いに対しては、「レシピは自分なりにアレンジする」「彩りよく調理する」などが大きく減少しています(資料なし)。加えて、「調理についてできる行動」を尋ねた問いで、できると回答した割合が、ほぼすべての項目で低下傾向が続いていること(資料3)を併せると、調理機会やスキルの低下により、日々の食卓がマンネリ化している可能性がうかがえます。

資料3 調理についてできる行動

③「手作り」のハードルが下がる一方で、「手抜きへの罪悪感」は上昇傾向

 前回(2013年度)から開始した、市販品を活用した簡便調理の事例を挙げて「手作り」だと思うか尋ねた問いへの回答を見てみると、前回と比較してほとんどの料理で「手作りだと思う」割合が高まっています。その一方で、「手抜きに罪悪感を抱く」割合も同時にほとんどの料理で高まっており、簡便調理を手作りと認めながらも罪悪感を抱く人が増えている実態がわかります(資料4・5)。

資料4 「手作り」だと思う料理

資料5 「手抜きに罪悪感を抱く」料理

④食事の満足度に最も大きく影響するのは「家族の反応」

 今回の調査では、既婚女性がどのような点から食事に満足を感じているかも調査しました。直近の平日に夕食の調理をした人(対象者993人)を対象に、自身が用意した食事への満足度を尋ねたところ、「家族の反応」について、「非常に喜ばれた」、「まあ喜ばれた」と答えた人は満足度が高く、また、「調理の工程数」や「品数」は、その数が増えるほど満足度が高まる傾向が見られました(資料6)。
 なお、満足した理由を尋ねたところ、品数が1~2品、または調理に負担を感じた人では「お腹がいっぱいになったから」という回答が最も多い結果となりました(資料なし)。

資料6

 家族の反応が満足度に影響するという結果は、「食事準備時の重視点」を尋ねた別の問いへの回答からも推察されます。「自分だけの食事」と、「家族そろっての食事」で重視点が大きく異なることが特徴で、「家族そろっての食事」では、おいしいこと、健康への配慮、品数の多さ、手作りであることなどが重視されていることがわかります(資料7)。

資料7 食事準備時の重視点

まとめ:調査結果から

 今回の調査では、「ひとりごはん」や「平日の夕食では調理に手間をかけない」人の増加がみられました。この背景には、有職主婦や共働き世帯の増加などが影響していると考えられます。また、前回(2013年度)から続く調理スキルの低下や、家庭にある調理器具が引き続き減少傾向であること(データ掲載なし)からも、忙しい中で、家庭で手の込んだ料理を作らなくなる既婚女性の調理傾向が読み取れます。
 また、賢く簡便に「手作り」をしながらも、「手抜き」に対する罪悪感も同時に増えていることからは、調理に対する理想と現実とのギャップがあることが読み取れます。「自分だけ」と「家族そろって」の食事準備時の重視点の大きな違いや、食事の満足度に家族の反応が大きく影響しているという調査結果からは、忙しい中で、家族には良いものをたくさん食べて喜んでもらいたいという願いが見えてきます。調査全般を通して、ライフスタイルの変化に伴い食への価値観が変化する中で、調理の機会が減り、自分ひとりの食事は簡便に済ませても、家族のためには食卓の豊かさを追い求め、よりよい食事を模索する既婚女性の意識が明らかになりました。

【調査方法の概要】

調査手法 インターネット調査
調査期間 2016年11月25日~11月28日
調査対象 20~59歳の既婚女性、全国(日本在住)
有効回収数 1200人(回収ベース)
20~29歳:300人、30~39歳:300人
40~49歳:300人、50~59歳:300人

回収サンプルをもとに、年代別構成を、総務省「平成27年国勢調査」の「女性・有配偶」の構成比に基づいてウエイトバックを行い補正した。

基数 1200人
20~29歳:85人、30~39歳:319人
40~49歳:419人、50~59歳:377人
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