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社内研修での「社会」の話

2008年04月21日

こんにちは。なかしま です。

先日15日に社内の定期研修で、経営の一角を担う立場から話を、ということで話をしてきました。ちなみに対象者は、G1という入社10年~15年くらいの管理職になる直前の職責のグループで、20数名の参加者がいました。

今年力を入れて考えましょう、と言っているのは、「良い社会とは?」ということです。社会を構成する倫理、マナー、ルール、法令などを三角形にして考えてみました。

2008Triangle.JPG

一般社会でも社内でも事件が起きますと、すぐに「刑罰を厳しくしよう」「ルールを作ろう」と声高に叫ぶ人がいます。それはそれで一種の抑止力にはなると思うのですが、あまり気持ちの良い抑止力ではないように思います。

実際にたばこのポイ捨てが多くなると、ポイ捨て条例ができます。駐車違反が絶えないので、取締りが厳しくなります。何か悪いことがあると、それを罰則・罰金を作って取り締まる発想は社会をどういう方向に導くのか、について議論しました。

本来の良い社会は、リベラルな環境で、他人に危害が加わったり、不都合なことがないように互いに自然と配慮しているもので、日本でも世界でも人口の多くない地域社会では結構実現しているように思います。都会的な状態になり、互いに見知らぬ人が多い状況になると、配慮よりも自己優先の傾向が強くなり、摩擦が多くなってくるために、多くのルールができて、一定のルールの中で生活せざるを得なくなります。

そのこと自体は問題ではないのですが、だんだんとルールが多くなり、さらに罰則ができたりすることが当然のように思う社会通念が広がることが心配です。一般社会のことならばまだしも、それが企業社会の中で起こったりすると、それは非常に心配なことです。

ハラスメントが実際に起きたり、不正が起きたりしたときに、互いに気をつけよう、という啓蒙活動に力が入ればいいのですが、ルールを作ろう、罰則を厳しくしよう、と短絡に考えることが危険な兆候ではないか、という話を研修でさせていただきました。

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