パラドックス3

2007年08月29日

こんにちは。なかしま です。

パラドックスについてもう少し考えます。

先般ある著名な女性のお話を聞いていて、すごく共感しました。同じような想いを
している方がいて、社会に何とかその想いを伝えようとしている姿に感動しました。

その方のご両親は若くして米国に渡って農業を始めながら4人のお子さんを苦労
して育てられたそうです。

子供たちは、週末は農業のお手伝いをするのですが、お小遣いは時間制でなく、どれ
だけ収穫したかという出来高によるお小遣いだったそうです。そこで彼女は労働の対価
についての価値観を学んだとおっしゃっていました。

4人の子供たちは全員大学に進学し、自立したので、お父さんは事業が成功した資産
をすべて自ら作った財団に注ぎました。その財団ではお父さんの農場で働いている
メキシコ移民の子供たちや地域の子供たちで、優秀でも経済的理由で進学できない
人たちに学費援助をしているそうです。お父さんは最後までに自分の資産を使い切って
学業援助をしたいそうです。

いま彼女のお子さんたちには農業のお手伝いの機会などなく、小さい頃から学業に
勤しんでいるそうです。都会で育つ子供はみな、いい高校・いい大学・いい会社・お金
持ちという資本主義のレールに乗せられているような気がして、本当の大切なことを
学んでいないように見えるそうです。

いいレールの上をいい電車に乗ろうとすることが実はすごいプレッシャーになっている
ような気がします。ゆっくり各駅停車に乗って、思い立って駅で降りて見物するほうが
実はプレッシャーのない楽しい人生になるのかもしれません。

親が良かれと思うことが、本当に良いことか、これもパラドックスに思えてきました。

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