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キユーピーアヲハタニュース

2008/5/1 No.36

★研究

<骨の健康についての研究>

卵殻カルシウムとビタミンK2を一緒に食べると
骨が強化されることを確認しました

(骨粗しょう症モデルマウスを用いた実験結果)
5月3日(土)に第62回日本栄養・食糧学会大会(女子栄養大学:埼玉県)で発表
 キユーピーは、卵殻カルシウムとビタミンK2を同時に摂取すると、骨粗しょう症の状態が改善されることをモデルマウスを用いた実験で確認しました。
 キユーピーは、卵殻カルシウムとビタミンK2 の摂取が骨に与える影響について研究しており、今回は骨粗しょう症モデルマウスを用いて試験を行いました。
 卵殻カルシウム0.2%とビタミンK2約0.0012%を添加した飼料を3ヵ月間摂取した群(卵殻Ca+VK群)は、炭酸カルシウムのみを添加した飼料を摂取した群(対照群)に比べ、大腿骨の骨密度が有意に高くなることが確認されました。また、骨全体を内部から支える「骨梁」の数も増える傾向にあることが確認されました(図1参照)。
 さらに、卵殻カルシウムのみを添加した飼料を摂取した群(卵殻Ca群)も、対照群に比べ、骨密度、骨梁数ともに増える傾向がありました。
 今回の結果から、卵殻カルシウムの摂取は骨の強度を高める可能性があることが示され、また、卵殻カルシウムとビタミンK2を一緒に摂取することで、その可能性がさらに高まることがわかりました。
 キユーピーはこれからも骨の健康に関する研究をさらに進めていく予定です。
図1 骨粗しょう症モデルマウスの大腿骨の三次元画像
図1 骨粗しょう症モデルマウスの大腿骨の三次元画像

 キユーピーはこれまでに、中高年女性が卵殻カルシウム250mgとビタミンK2 1.5mgを含む錠菓を12週間摂取することで、血中の活性型オステオカルシン(カルシウムを骨に沈着させる役割を持つ物質)の量が増えることを確認しています(竹内綾子ら 日本臨床栄養学会雑誌26(2,3):245〜253、2005)。

 今回は卵殻カルシウムとビタミンK2の摂取が骨そのものの状態に与える影響を確認するために、骨粗しょう症モデルマウスを用いて試験を行いました。
【試験内容】
 骨粗しょう症モデルマウスを(1)〜(3)の3つの群に分け、それぞれ下記の飼料を3ヵ月間摂取させ、二次元画像解析による大腿骨の骨密度、骨梁数の測定と、三次元画像の比較を行った。
(1)対照群(炭酸Ca群):炭酸カルシウムを含む飼料
(2)卵殻Ca群:卵殻カルシウムを含む飼料
(3)卵殻Ca+VK群:卵殻カルシウム およびビタミンK2 約0.0012%を含む飼料
※全ての群で飼料中のカルシウム量が0.2%になるように調整した。
【試験結果】
 マウス大腿骨の骨密度は、対照の炭酸Ca群に比べ卵殻Ca+VK群は有意に高く、卵殻Ca群も高くなる傾向が確認された(図2)。
 また、骨梁数も、卵殻Ca+VK群、卵殻Ca群ともに炭酸Ca群に比べて多くなる傾向が確認された(図3)。
図2 骨粗しょう症モデルマウスの大腿骨の骨密度
図2 骨粗しょう症モデルマウスの大腿骨の骨密度

図3 骨粗しょう症モデルマウスの大腿骨の骨梁数
図3 骨粗しょう症モデルマウスの大腿骨の骨梁数

 大腿骨の三次元画像は、卵殻Ca群、卵殻Ca+VK群ともに対照である炭酸Ca群に比べて骨梁数が多く、骨粗しょう症の状態が改善されていることを視覚的に捉えることができた(図1参照)。
【結論】
 今回の結果から、卵殻カルシウムの摂取は骨の強度を高める可能性があることが示され、また、卵殻カルシウムとビタミンK2を一緒に摂取することで、その可能性がさらに高まることがわかりました。
 キユーピーはこれからも骨の健康に関する研究をさらに進めていく予定です。
【参考(1)】

卵殻カルシウムと合成の炭酸カルシウムの構造の違い

 卵殻カルシウムは多孔質な構造をしているので、胃液で溶解されやすく、カルシウム源として活用しやすいのが特徴です。
卵殻カルシウム/合成の炭酸カルシウム
【参考(2)】

「キユーピー カルK2」について

 キユーピーは骨の健康が気になる方に向けた特定保健用食品「キユーピーカルK2」を2007年10月に発売しています。
 「キユーピー カルK2」は、1日の摂取目安量(2粒)当たり卵殻カルシウム250mgとビタミンK2 1.5mgを含んだヨーグルト風味の錠菓です。詳細は2007年10月発行のニュースリリースNo.62をご参照ください。
(アドレス=/company/corp/newsrelease/2007/2007_062.html