フレイルとは?
フレイルとは、年齢を重ねて心身の活力が低下した状態のことです。
そのまま放置すると、要支援・要介護のリスクが高まります。
大切なことは、早めに気づくことです。
早期に取り組むことでフレイルの進行を抑えることができます。

大切な3つの柱
フレイル予防のためには「栄養」「身体活動」「社会参加」の3つをバランスよく取り入れることが大切です。
フレイル予防の三本柱の取り組みは、1つだけではなく1つよりも2つ、2つよりも3つ、複数の柱に取り組むことで、よりフレイル予防に効果があることが報告されています。
フレイルやプレフレイルの状態の方も、3本柱の取り組みを実践することで、再び健康な状態に戻ることができます。

フレイル予防のための
栄養のポイント
フレイル予防の栄養の基本は3食しっかり食べることです。
必要な栄養素をバランスよく摂るために、主食、主菜、副菜を組み合わせ、いろいろな食品を食べましょう。

Point.1 毎日食べよう10食品群
食事は、いろいろな食品を摂ることを心がけましょう。
主食に加えて10食品群(肉類、魚介類、
卵類、大豆製品、⽜乳・乳製品、野菜類、海藻類、果物、いも類、油脂類)の摂取がフレイル予防や健康維持に関連することが分かっています。
1日に少なくとも4食品群以上、できれば7食品群以上をめざしましょう。

Point.2 たんぱく質とエネルギー、ビタミンDをしっかり摂ってフレイル予防
年齢を重ねると食が細くなりがちですが、必要な栄養素は成人期とほとんど変わりません。
毎食しっかり食べてフレイルを予防しましょう。
【たんぱく質】
たんぱく質の摂取量が少ないと、筋力量の減少や骨折・転倒などのリスクとなり生活機能の低下につながります。
特に高齢期はたんぱく質が不足しがちです。
積極的に摂るようにしましょう。
たんぱく質を含む食材

卵のたんぱく質は体内で
効率よく利用されます!
卵はたんぱく質利用効率(Net Protein
Utilization)が高い食材です。
たんぱく質利用効率とは、「摂取したたんぱく質がどれだけ消化・吸収され、体内で使われるか」を表す数値で、卵は牛肉や魚よりも利用効率が良いことが示されています。
体内でのたんぱく質利用効率(%)

【エネルギー】
体に必要なエネルギーが不足すると、体重が減少し体力や免疫力の低下につながります。
健康な体を維持するために、エネルギーを意識してとりましょう。
エネルギーを摂取する際、食べ方を工夫することで他の栄養素も一緒に効率よく摂ることができます。野菜やサラダに多く含まれるビタミンA、きのこ類に多く含まれるビタミンDなどの脂溶性ビタミンは油と組み合わせて摂取することで吸収率があがります。効率よく栄養素を摂取するために、サラダにドレッシングをかけたり、野菜やきのこを炒め物にしたりするのがおすすめの食べ方です。
出典:Takeda.S et al. J Nutr Sci Vitaminol. 57:209-15,2011
エネルギー摂取におすすめの食材

【ビタミンD】
フレイル予防のためには、ビタミンDの摂取も大切です。
ビタミンDは骨の健康に関与するだけでなく、筋力維持や免疫力向上にも重要な役割を果たします。
ビタミンDは紫外線を浴びることで皮膚でもつくられるため、適度に日光に当たるようにしましょう。
出典:一般財団法人 医療経済研究・社会保険福祉協会 医療経済研究機構「フレイル予防のためのポピュレーションアプローチに関する声明と提言」
ビタミンDが含まれる食材

フレイル予防のための
「もう1歩」
よく噛みましょう

健康のためにはしっかり噛むことも大切です。
噛む回数を増やす食材の1つが野菜です。
野菜を取り入れ、よく噛む生活を意識しましょう。
共食を心がけましょう
楽しい食事の時間は食欲を増進させます。
料理を作ったり、家族や友達、地域の方と、
会話をしながら食べましょう。

キユーピーグループの
取り組み
健やかな100年人生の
実現に向けて
皆さんがいつまでも元気でいきいきと暮らすために、「食べること(栄養)」「体を動かすこと(身体活動)」「社会とつながること(社会参加)」の3つの柱を軸に、大学や国、他の企業と力を合わせ、健康を支える新しい仕組みづくりをめざしています。
私たちは特に「栄養」について、長年培ってきた調味料やサラダ、たまご料理の知識と技術を活かし、食と健康への貢献に向けて取り組んでいます。
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東京大学との協業
高齢者の食生活を向上させるため、エビデンスの取得と社会実装に向けた共同研究を推進しています。
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啓発イベントの実施
フレイルの認知率向上と社会実装に向けた実証実験のため、官民連携での啓発イベントを行っています。
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健康に役立つレシピ提案
サラダやたまごを活用したレシピで、フレイル予防に資する提案を推進します。

高齢社会総合研究
機構 機構長
飯島勝矢
超高齢社会に突入した今日において、いつまでも健康に過ごしたいというのは、皆さま共通の願いだと思います。健康長寿のカギとなるフレイル予防に向けて、「栄養・身体活動・社会参加の3つの柱」を提唱しております。その中でも「食」は、生きる上で欠かすことのできない原点であり、おいしさや食を通じたコミュニケーションは、日々の生きがいにもつながっていきます。特に高齢期では全身の筋肉が顕著に減少しやすく、自立機能が低下しやすいです。必要な栄養素をまんべんなくとるために、多様な食品群を意識した食事をとることが重要です。適切で十分なエネルギー、たんぱく質やビタミンDの摂取も今まで以上に心がけながら、日々の食生活を見直して、さらに生きがいを持ちながら、いくつになっても楽しく健康的な生活を送りましょう。