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答えのないディスカッションをする

2009年02月05日

こんにちは。なかしま です。

杉並区の和田中学校の校長をされていた元リクルートの藤原さんのお話を初めてお聞きしました。藤原さんは、日本よりも成熟社会化した英国、フランスに住み、現地の教育を肌で感じられ、価値観が多様化し、変化が早い時代に求められる能力を身につける教育に変わっていることを感じられたそうです。

日本の教育では答えをよく知っている「情報処理力」を身につけるプログラムが中心で、たくさんの知識の中からふさわしい答えを見つける「情報編集力」を育むプログラムがない、というお話でした。

「情報編集力」を身につけるためには、例えば「赤ちゃんポスト」のような、意見が分かれるテーマについて議論をすることが大切だ、ということです。

ちょうど当社のコンプライアンス研修を思い出しました。私はコンプライアンスの研修の講師をすることがあるのですが、なるべく答えの決まりにくいテーマを選んでディスカッションすることにしています。例えば「セクハラ」のように、答えが比較的受け入れやすい内容を選んでも、知識を覚えるだけで、他人の意見を聞く、という機会になりません。

むしろ「自分の上司と部署内の同僚の仲が悪くて困っている」というようなテーマの方が、意見が分かれやすく(多様性です)、解答がはっきり見えないディスカッションしながら、こんな方法もあれば、あんな方法もある、とたくさんアプローチが見つかりやすいと感じています。

コンプライアンス研修に参加した人の一部からは「答えをはっきりしてほしい」という意見もアンケートで寄せられましたが、あえて答えのないディスカッションをすることも有効だと、藤原さんのお話でひとり納得いたしました。

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